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Noboru Owada solo show 《Ulysses as the circulation system in subconsciousness - eternal movement by Joycycle》

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English follows

大和田登展「意識下の円環装置としてのUlysses - Joycycleの永久運動」
10月16日(月)-10月28日(土)
15:00ー20:00【10月23日(月)休廊】
オープニグ・レセプション 10月21日(土)17:00ー

キュレーター:森下泰輔
企画責任者:地場賢太郎

展示内容:ビデオインスタレーション

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意識下の円環装置としてのUlysses - Joycycleの永久運動

Statelyで始まりyesで終わりながら元のStatelyにつながって行くという言語の円環装置としてのJames JoyceのUlysses。
さらに(1904年)6月16日という日付が毎年繰り返されるというJoycycleの二重の円環作用によりある種の永久運動を繰り返す機械としての書物。
意識下を記述する機械。

和田 登


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大和田登とジェイムズ・ジョイス、意識下の循環作用。

森下泰輔(美術評論家 / 現代美術家 / アートプロデューサー)

 過去、「BLINKS」などで写真と網膜の働きを概念的に抽出してきた大和田登が、今度はジェイムズ・ジョイスの「ユリシーズ」を主題にインスタレーションに臨むという。
 20世紀モダン文学の最高峰ともいわれるこの小説は、いうまでもなくホメロスのギリシャ叙事詩「オデュッセイア」を下敷きにしている。といっても物語は全く違う。
 冴えない中年の広告取りレオポルド・ブルームを中心に、ダブリンのある一日(1904年6月16日)を多種多様な文体を使って詳細に記録している。そこここに「オデュッセイア」からの引用、明喩、暗喩、換喩が見られるが、なにしろ描かれているのは18章に渡ってダブリンの一日の出来事なのだ。
 この難解文学の最後の数行にはYesという言葉が多用され、Yesで終了する。大和田は「Joycycle」において、同小説の最初の単語「Stately」と最後の単語「Yes」を連結し、「STEATELYES・・」を円環状に配置し、循環させようとする。
 さらにこの言葉を壁面にプロジェクションし、先の個展でも使用したパネルにドット穴をあけた平板を天井から固定してそのドット穴を通過した映像を壁に映ずる。くわえてゴムホースを数十メートルにわたって這わせて水を循環させる段取りだ。
 いうまでもなくジョイスの同小説は人の意識と無意識の走馬灯のようなイメージが現れては消える意識下の循環作用を持っているのだが、大和田は見ること感じること記憶すること思い出すことという意識下の表象作用に想いを馳せている。これはいままで、人の目の瞬きとズレ、カメラのシャッターと眼球の虹彩に関する見ること認識することの実験的試みを行ってきた表現の延長線上にあるインスタレーションだといえよう。



 英文

Ulysses as the circulation system in subconsciousness - eternal movement by Joycycle

Ulysses by James Joyce is the circulation system of language begining with "Stately", ends with "yes" and still connects to "Stately" again.
Yet also, it is the book being as a machine repeating a sort of eternal movement controlled by double circulating operation moved by Joycycle repeating with the date - June the 16th-every year.
The machine which describes subconsciousness.
                   Noboru Ohwada

 

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