「非現実の人たちへ」
「非現実の人たちへ」
2021.7月13日(火)〜25日 (日)
15:00-20:00 最終日18:00まで
19(月)休廊
助成:MACL
主催:銀座芸術研究所
総勢10名の若手作家で展示します!!!
キュレーションはあおいうに。
キャラクターがテーマの展示になります。
【出展作家】
あおいうに× 中村雅樹
坂上修
さとみかずのり
白川マリ
STAR.X
ハムスターの息子に産まれて良かった
ユ、六萠
レパー
渡辺八畳
キュレーション あおいうに
コンセプト 渡辺八畳
【コンセプト】
人間は自分の内面に他者を創造する。それはまったく無からのこともあれば、すでにある人格を自分の中で攪拌・再形成するパターンもある。後者の代表例は二次創作だろう。アニメ、漫画、ゲーム……さまざまな媒体に存在するキャラクター≒非現実の人たちを自らの内に取り込み、再形成する試みは太古より行われてきた(※1)が、特に近年はコミックマーケットの隆盛により二次創作が活発に行われている。そのような背景があり、他者を自らに内在させるハードルは一昔前と比べ格段に低くなった。
人間が他者を人間として扱えるのは、相手に人格を認めているからだ。この人格認定はいわば自分の仲間であること、同質であることの認定だ。この認定に際して、相手が実際に人格を有しているかどうかは問われない。自分が相手に人格を認めさえすれば、自分から見た相手は人格を有することになる。そして、この「相手」の範囲は近年、非現実の人たちにまで拡大し、それが一般化しつつある。我々は非現実の人たちへ人格を見出し、時として実在の人間と同じように愛する。
しかし、いくらそこに人格を認めても非現実の人たちは実在はしない。そして、たとえ人格を有していたとしてもその所在は自分の内面であり、人格を丸ごと包む「自分の意思」の影響下にある。そのため、愛しているのに、時として人格を持つその人たちへ自らの願望を託し、意のままに操ってしまう。人格を認めつつ、その人格を無視した行動をとってしまう。現実では子の人格を無視して親の願望を一方的に託すのは虐待に相当するが、その虐待と非現実の人たちへ行っている暴虐になんの違いがあるだろうか。非現実の人たちを心から愛するのであれば、我々は自己内での彼らの形成/再形成を止めねばならないはずだ。
しかし、悲しいかな、それこそ「愛」ゆえに形成/再形成は続けられる。愛は行動だ、創造だ。愛ゆえに自分の内面に他者を創造し、そして想像した人たちを以て創造する。創造は愛であり罪だ。
創作者は創造を止められない。愛を紡ぐ=罪を重ねることを止められない。この原罪を意識し、そのうえでどのように創造するかの問いと、ひとつの答えが今回の展示である。非現実の人たちは創造のための道具だ、しかし、人格を持つ者だ。罪を意識しての愛の行為、その結果を来場者には見てほしい。
※1たとえば『源氏物語』の補作はすくなくとも室町時代から行われてきた
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・緊急事態宣言発出中のさなかであり、マスクの着用をお願いいたしております。アルコール消毒液で入場時に消毒してください。
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